2025.09.30
美容・膝・健康に本当に効く?
コラーゲンの効果とサプリの上手な選び方

コラーゲンとは?私たちの体に必要な理由
コラーゲンは、体の基盤を支える“土台”のような存在です。ここでは、私たちの健康や美容にどう関わり、なぜ必要とされているのかを見ていきましょう。
コラーゲンとは
コラーゲンは、体の中にあるたんぱく質の約3割を占める大事な成分です。皮膚・骨・軟骨・腱・血管・内臓など、体のあちこちに広がっていて、体を形づくる「骨組み」のような役割をしています。
たんぱく質は三大栄養素のひとつで、筋肉や臓器の材料になるだけでなく、ホルモンや酵素を作るためにも欠かせません。その中でもコラーゲンは「体を支えるたんぱく質」として、肌や血管の弾力、骨や腱の強さ、関節のスムーズな動きを守っています。
さらに、コラーゲンは細胞どうしをつなぐ“接着剤”のような働きも持っています。肌ではハリやうるおいを保ち、骨ではしなやかさと強さを両立させています。
コラーゲンには現在わかっているだけでも29種類以上があり、それぞれが体の中で違う役割を担っています。そのため、美容だけでなく、関節や血管、内臓など健康全体に深く関わっているのです。
加齢とともに減少する理由とは?
コラーゲンは20代後半をピークに、徐々に減っていきます。これは、コラーゲンを作る力が弱まり、逆に壊すスピードが速くなるからです。
さらに、紫外線、喫煙、ストレス、睡眠不足、糖分の摂り過ぎなども、コラーゲンを傷つけてしまいます。その結果、肌のハリや弾力が落ちたり、シワやたるみ、関節の違和感が出てきたりするのです。(*1)
だからこそ、生活習慣を見直したり、食事やサプリで補ったりする工夫が大切になります。
科学的根拠はある?コラーゲンサプリの効果
「コラーゲンサプリを飲んでも意味がない」— そう言われていた時代もありました。しかし近年の研究では、分解されたコラーゲンの一部が体内で有効に働き、肌や関節にプラスの影響を与えることが示されています。ここでは最新の知見を踏まえて、コラーゲンサプリの効果について整理します。(*2)
ヒト試験で確認された効果(美容・関節)
コラーゲンサプリメントについては、これまでに多くの臨床試験が行われています。美容分野では、Ⅰ型やⅢ型由来のコラーゲンペプチドに関する研究で、数か月の継続摂取によって肌の水分量や弾力に関するポジティブな変化が観察されたと報告されています。さらに、最新の研究では透明感やトーンに関わる可能性も示唆されており、エイジングケア成分として注目されています。(*3)
一方、関節分野でのⅡ型コラーゲン(特に非変性Ⅱ型)に関する研究は多く、膝の可動性や快適さに関して良好な結果が報告されています。こうした研究成果から、健康面でのサポート成分として期待されています。(*4)
コラーゲンサプリは体内でどう吸収される?
コラーゲンはサプリとして摂取すると、消化の過程で「ペプチド」や「アミノ酸」という小さなかたまりに分解され、血液を通じて全身に運ばれます。近年の研究では、この分解されたペプチドの一部が皮膚や関節の細胞に届き、「コラーゲンをつくる働きをサポートする信号」として作用する可能性が報告されています。(*5)
機能性表示食品とは?効果の根拠がある商品に注目
日本では、消費者庁が認める「機能性表示食品」制度があります。これは、メーカーが科学的な根拠をもとにしたエビデンスを細かく何度も提出・申請した結果、機能表示が認められる制度で、例えば「肌の潤いを保つ」「膝の動きを助ける」などの機能を根拠のもとに表示できる制度です。
薬のように国が効果を保証するものではありませんが、企業が論文や研究レビューを提出し、その根拠を消費者庁に届け出る仕組みです。そのため、コラーゲンサプリを選ぶ際は「機能性表示食品かどうか」をチェックすることも、効果や信頼性を見極める目安になります。
コラーゲンサプリを目的別に選ぶ方法
コラーゲンには、Ⅰ型、Ⅱ型などいくつもの種類があり、それぞれが体の異なる部位で役割を担っています。ここでは、美肌や関節、骨など目的に合わせて、どのコラーゲンを選ぶとよいのかを整理していきます。
コラーゲンの主な効能と関連タイプ
コラーゲンは 現在約29種類以上 が存在すると報告されていますが、私たちの体やサプリメントでよく話題になる美容や関節ケアに関連するのは、主にⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型 です。
関節ケアには、Ⅱ型コラーゲンが大きく関わりますが、特に「非変性 Ⅱ型コラーゲン」が注目されています。従来の加水分解された(変性)Ⅱ型コラーゲンに対し、熱処理を受けず天然の3D構造を保つ(非変性)Ⅱ型コラーゲンの経口摂取の効果は、従来とは異なるメカニズムで作用することが注目され多くの研究結果が報告されています。
主な効能 | 関連する コラーゲンの型 |
補足 |
---|---|---|
肌に潤いや 弾力を与える |
Ⅰ型、 Ⅲ型 |
Ⅰ型が皮膚のハリや弾力を支え、 Ⅲ型がきめ細やかさや柔軟性を保つ。 (血管のしなやかさにもⅢ型) |
丈夫な腱や 筋肉をつくる |
Ⅰ型、 (V型) |
腱や靭帯の強度をI型が支える。 (V型は筋肉や血管の組織形成を補助する。) |
関節の動きを よくする |
Ⅱ型 | 関節軟骨の主成分。 衝撃を吸収し、 滑らかな動きをサポートする。 目的に応じ「非変性」Ⅱ型コラーゲンの タイプを選ぶ。 |
丈夫な骨を 形成する |
Ⅰ型 | 骨の有機質の約9割を占め、 カルシウムなどの無機質が 定着する土台となる。 |
コラーゲンの種類を見分ける方法
美容向けのサプリメントには、Ⅰ型やⅢ型コラーゲンがよく使われています。ただし、商品パッケージに「Ⅰ型」「Ⅲ型」と明記されていないことがほとんどのため、原材料欄(魚由来コラーゲンや牛皮コラーゲンなど)から判断するのが一般的です。
関節向けのサプリメントには、Ⅱ型コラーゲンがよく使われます。特に「非変性Ⅱ型コラーゲン」は、高度な技術により熱などの処理を受けていないため、変性せずに天然に近い型であることから、商品パッケージでも強調して表示されるケースが多く、選ぶ際の目安になります。
また、コラーゲンを加水分解した「コラーゲンペプチド」が配合されている製品もあり、こちらはⅡ型だけでなくⅠ型など複数タイプが原料に含まれることがあります。
製品を選ぶ際は、目的に合わせてパッケージや成分表示を確認し、「非変性Ⅱ型コラーゲン」と明記されているか、あるいは「Ⅱ型コラーゲン」「コラーゲンペプチド」のみの表示であるかをチェックすると参考になります。
原材料表示をチェックする
牛由来(皮・骨) | Ⅰ型・Ⅲ型コラーゲンが中心 |
魚由来 | 主にⅠ型コラーゲン |
卵殻膜由来 | Ⅲ型コラーゲンの生成を サポートするとされる成分を含む |
鶏、豚軟骨抽出物 | Ⅱ型コラーゲン・ 非変性Ⅱ型コラーゲン |
サケ鼻軟骨抽出物 | 主に「非変性Ⅱ型コラーゲン」と 保水・関節クッション成分 「プロテオグリカン」(*6)を 同時に含むことが多い |
効果を最大限に引き出す摂取方法と飲み合わせ

せっかくコラーゲンサプリを飲むなら、より効果的に取り入れたいもの。ここでは、摂取のタイミングや一緒に摂ると良い栄養素、注意点などについて解説します。
いつ飲むのがベスト?朝・夜・運動後?
「この時間が唯一正解」という科学的結論はまだありません。朝は代謝が活発になるため、吸収効率が高まり、夜は就寝中に体の修復が促進されるため、効果的とされています。
運動で腱・靭帯をケアしたい人は運動の30〜60分前にコラーゲン+ビタミンCを組み合わせると、コラーゲン合成のサインが出やすいという研究があります(ゼラチン/コラーゲン+ビタミンCを運動前に摂るとコラーゲン合成マーカーが上がったデータ)。朝か夜かは体調と続けやすさで選び、毎日続けることが大切です。(*7)
ビタミンCや鉄分との組み合わせがカギ
コラーゲンは体内で「合成酵素」の働きによって作られますが、その酵素をしっかり動かすためにはビタミンCと鉄分が欠かせません。
ビタミンCは酵素の働きを助けてコラーゲンの合成をサポートし、さらに抗酸化作用で細胞を守る役割も果たします。一方、鉄分は酵素の中心となる金属であり、酸素を運んだり体の代謝を支えるために重要です。
つまり、コラーゲンサプリをとるときには、ビタミンCや鉄分も食事やサプリで一緒にとることで、コラーゲンの働きをより高め、健康維持に役立てることができます。(*8)
コラーゲンサプリにありがちなNG習慣
・気が向いた時だけ飲む(→継続がポイント。8〜12週間は同じ量で続ける)
・一気に大量摂取して胃腸トラブル(→分割 or 食後に)
・栄養バランスを無視(→総たんぱく質・ビタミンC・鉄など土台が大切)
・表示や根拠を確認しない(→機能性表示の有無、用量、試験デザインをチェック)
安全面では一般に耐容性は良好ですが、高用量ビタミンC併用は人によって下痢・腹部不快などが出ることも。体質や服薬中の薬がある場合は医療者に相談をしてください。
食品との併用でより効果的に
食事+コラーゲンサプリの二段構えが現実的。魚の皮・手羽元・スジ肉・豚足などコラーゲンが多い食材に、ビタミンCを含む野菜や果物(パプリカ、ブロッコリー、柑橘、キウイなど)を合わせると“つくる力”の後押しに。研究レビューでも、経口摂取後にヒドロキシプロリンを含むジ/トリペプチドが血中に上がることが示されており、食品と併用しつつ毎日途切れさせないのがコツです。
よくある質問Q&A
始める前にいくつかの点について知っておくことで、自分に合った方法や注意点を確認しておきましょう。
どのくらいの期間で効果を感じる?
個人差はありますが、研究報告では8〜12週間の継続摂取で肌の潤い・弾力や関節の動きに変化を感じる人が多いとされています。サプリメントは“薬”ではなく栄養サポートの役割なので、日常的な摂取を心がけ、生活習慣の改善を合わせて長期的に行うことが重要です。
副作用やアレルギーの心配はある?
コラーゲンサプリは一般的に安全性の高い素材とされています。
ただし、以下には注意が必要です。
・魚や鶏由来のコラーゲン → 魚介・鶏アレルギーがある方は避ける
・高用量摂取 → 胃の不快感や下痢などが出る場合も
・服薬中の方 → 医師に相談してからの利用が安心
サプリ以外に摂取する方法は?
コラーゲンは食品からも摂取可能で、特に骨付きの肉や魚、皮付きの鶏肉、そしてゼラチンはコラーゲンが豊富です。これらの食品を食事に取り入れることで、自然な形でコラーゲンを補給することができます。
また、ビタミンCを多く含む食品(柑橘類やブロッコリーなど)と一緒に摂取することで、コラーゲンの吸収をさらに促進することができます。食事からのコラーゲン補給は、サプリメントと併用することで、より効果的に体内のコラーゲンレベルを保つ助けになります。(*8)
実際どうだった?使用者の口コミ・レビューまとめ
ここまで、コラーゲンサプリに含まれる種類や特徴について整理してきました。次に、実際に臨床試験の結果やユーザーから寄せられた声を確認しながら、その効果がどのように感じられているのかを見ていきましょう。
肌への変化(しっとり感・ハリ)
臨床試験やレビューサイトでは、「朝の乾燥が気にならなくなった」「肌がもちっとしてメイクのノリが良い」といった声が多く見られます。実際、コラーゲンペプチドを8〜12週間継続摂取した群で、肌の水分量や弾力が有意に改善した研究報告があります。(*2・*3)
多くの使用者が、数週間以内に肌がしっとりとし、ハリが出るのを感じたと報告しています。
膝や関節の違和感がどう変化したか
関節ケアを目的にした人からは、「階段の上り下りが楽になった」「長く歩いた時の違和感が減った」という声が寄せられています。
非変性Ⅱ型コラーゲン(UC-II)を90日間摂取した臨床試験でも、膝の機能スコアが改善したという結果が報告されています。(*4)
飲み続けた期間と実感したタイミング
研究やレビューを総合すると、2〜3か月の継続で変化を感じ始める人が多いようです。臨床試験でも評価期間は8〜12週間が主流で、効果は「続けるほど見えてくる」と考えられます。
年齢・性別による使用目的・実感の違い
若い世代では美容目的、中高年層では関節や骨のサポート目的が多く、男女差は大きくありません。女性は美容と健康両面、男性はスポーツや関節ケア目的で利用している傾向が確認されています。
まとめ
コラーゲンサプリメントは、肌の潤いや弾力を守るだけでなく、スムーズな動きや日々の健康維持など、幅広い目的で活用されています。かつては「口から摂っても意味がない」と考えられていた時代もありましたが、近年の研究では、体内で分解されたコラーゲンが再び合成を後押しする可能性や、変性させない天然の構造を保った非変性Ⅱ型コラーゲンの特殊な作用が示され、臨床試験でも肌や健康への効果が報告されています。
大切なのは、生活リズムや食事を整えたうえで、目的に合ったサプリを継続して取り入れることです。そうすることで、より効果を実感できる可能性が高まります。
その一例として、ジャコラの「コラーゲンⅡパワー」は、非変性Ⅱ型コラーゲンとプロテオグリカンを中心に、スムーズな動きや潤いをサポートする成分をバランスよく配合したサプリメントです。機能性表示食品ですので詳しくはジャコラ公式サイトをご覧ください。
▼参考文献・引用元
(*1)・Decreased Collagen Production in Chronologically Aged Skin: Roles of Age-Dependent Alteration in Fibroblast Function and Defective Mechanical Stimulation(外部リンク)
(*1)・The impact of ultraviolet radiation on skin photoaging — review of in vitro studies - PMC(外部リンク)
(*2)Oral intake of specific bioactive collagen peptides reduces skin wrinkles and increases dermal matrix synthesis.Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(3):113-9.(外部リンク)
(*3)Effects of Oral Collagen for Skin Anti-Aging: A Systematic Review(Pu et al., 2023)経口コラーゲンペプチドが肌の弾力や保湿性を改善するという複数の研究(ヒト対象)をまとめたレビュー。ペプチドが吸収されて肌に影響を与えている可能性を扱っている。(外部リンク)
(*4)膝関節炎治療における非変性II型コラーゲンの安全性と有効性:臨床試験
・Crowley DC, et al. Safety and efficacy of undenatured type II collagen in the treatment of osteoarthritis of the knee: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Int J Med Sci. 2009. PubMed:(外部リンク)
(*5)・Influence of collagen peptide supplementation on visible skin conditions(Vleminckx et al., 2024)コラーゲンペプチドの補給で、Pro-Hyp や Hyp-Gly のような特徴的なコラーゲン由来ペプチドが血中に吸収され、さらに肌に沈着するという研究結果。(外部リンク)
(*5)・Oral Ingestion of Collagen Hydrolysate Leads to the Appearance of Pro-Hyp in Blood(Yazaki et al., 2017)コラーゲンハイドロリセート摂取後、血中に Pro-Hyp というトリペプチドが増えることが確認されており、これが「体がコラーゲンを作るサインを受け取る可能性」の根拠となる。(外部リンク)
(*6)・Tomonaga A, et al. Salmon nasal cartilage proteoglycan…(プロテオグリカン10mg/日で膝の不快感改善とⅡ型コラーゲン代謝の改善). 2017.(外部リンク)
(*6)・Vu HTT, et al. Proteoglycan F… clinical trial(プロテオグリカンの最新臨床). 2024.(外部リンク)
(*6)・Hirasawa S, et al. Review: Salmon cartilage proteoglycan (sPG)(PGの特性と応用レビュー). 2025.(外部リンク)
(*7)Verywell Health. Best time to take collagen(「最適な時間」の明確な科学的結論はない/継続が重要). 2025.(外部リンク)
(*8)・Shaw G, et al. Vitamin C–enriched gelatin before intermittent activity augments collagen synthesis. Am J Clin Nutr. 2017.(運動前にゼラチン+ビタミンCでコラーゲン合成マーカー上昇) (外部リンク)
(*8)・ods.od.nih.gov(外部リンク)
(*8)・Vasta JD, et al. Human collagen prolyl 4-hydroxylase is activated by ascorbate… (ビタミンCと鉄がコラーゲン合成酵素を再活性化). 2016. (外部リンク)