2025.10.02
プロテインは腎臓に悪影響?
誤解を解き、安全で健康的な摂取方法を解説します

プロテイン摂取は、健康維持の強力な味方です。しかし、「プロテインは腎臓に悪い」という誤解から、そのメリットを十分に享受できていない方もいるかもしれません。
この記事では、プロテインと腎臓に関する正しい知識を深め、安心してプロテインを日々の生活に取り入れるための具体的な方法を解説します。
プロテインと腎臓の真実:不安を解消し、自信を持って摂取するために
プロテインは、健康的で活動的なライフスタイルを送る上で欠かせない栄養素です。しかし、「プロテインは腎臓に悪い」という情報に戸惑う方も少なくありません。
ここでは、この情報に対する医学的な真実を明らかにし、プロテインの恩恵を最大限に引き出すための知識を深めていきましょう。
なぜプロテインが腎臓に負担をかけると言われるのか?そのメカニズム
タンパク質が体内で分解される過程で、窒素化合物(主に尿素)が生成されます。この尿素は腎臓でろ過され、尿として体外に排出されるため、タンパク質を大量に摂取すると、腎臓が処理する尿素の量が増加し、腎臓に負担がかかる可能性があるという考え方があります。
このメカニズムは事実ですが、過度に心配する必要はありません。後述するように、健康な人にとって適量のプロテイン摂取は問題ないことが多くの研究で示されています。
健康な腎臓を持つ方へ:プロテインはあなたの味方です
健康な腎機能を持つ方にとって、プロテインは心強いパートナーです。通常の食事に加えて推奨量のプロテインを摂取する程度であれば、腎臓に悪影響を及ぼす可能性は極めて低いとされています。
実際に、数多くの研究が、健康な成人における適量のタンパク質摂取が腎機能に有害な影響を与えないことを明確に示しています(*1)。ただし、どんな栄養素でも言えることですが、極端な量の長期的な摂取は避けるべきです。プロテインは、あなたの目標達成をサポートする有効な手段となり得ます。
腎機能が低下している場合:専門家と連携し、最適な摂取計画を
すでに腎機能が低下している方や、腎臓に何らかの疾患を抱えている方の場合は、プロテインの摂取に特別な注意が必要です。腎臓のろ過機能が弱っている状態でタンパク質の摂取量が増えると、腎臓への負担が大きくなり、症状を悪化させるリスクがあります。
腎臓病の治療を受けている方は、必ず医師や管理栄養士に相談し、個別の指示に従ってプロテイン摂取を検討してください。
プロテイン摂取で最大限のメリットを享受するための注意点
プロテインは、正しく摂取すればあなたの健康とパフォーマンスを大きく向上させます。しかし、過剰な摂取は、どんな優れた栄養素でもそうであるように、いくつかの問題を引き起こす可能性があります。
特に腎臓への影響を理解し、賢くプロテインを活用しましょう。
過剰なプロテイン摂取が引き起こす可能性:知っておくべきこと
プロテイン、すなわちタンパク質を過剰に摂取すると、体内でアミノ酸に分解された後、さらにアンモニアに分解されます。このアンモニアは肝臓で尿素に変換され、最終的に腎臓から尿として排出されます。尿素の量が増えすぎると、腎臓はそれを排出するためにフル稼働しなければならず、これが一時的な腎臓への負担となる可能性があります。
健康な腎臓であれば対応可能ですが、長期的に極端な過剰摂取が続くと、腎臓のフィルター機能に影響を与える可能性も指摘されています。
腎機能低下のサイン:早期発見で安心を
腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、機能が低下しても初期には自覚症状が現れにくい特徴があります。しかし、進行すると以下のようなサインが現れることがあります。
⚫︎ むくみ(特に足や顔)
⚫︎ 尿の異常
(泡立ちが消えない、色が濃い、頻尿、夜間尿)
⚫︎ 倦怠感、疲れやすさ
⚫︎ 食欲不振
⚫︎ 高血圧
これらの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。早期の対応が、健康な未来を守る鍵となります(引用元*1)。
その他の健康リスク:バランスの取れた摂取が重要
プロテインの過剰摂取は、腎臓への負担以外にも、健康リスクを高める可能性が指摘されています。例えば、尿路結石のリスク増加です。動物性タンパク質の過剰摂取は、尿中のカルシウム濃度を高め、シュウ酸カルシウム結石のリスクを上げる可能性があります(*2)。
また、一度に大量のプロテインを摂取すると、消化不良による腹部膨満感、下痢、便秘などを引き起こすことがあります。
プロテインはあくまで食事を補うものであり、バランスの取れた食事が基盤であることを忘れてはいけません。
腎臓に優しく、負担をかけにくいプロテインの飲み方
プロテインを安全かつ効果的に利用するためには、賢い飲み方が不可欠です。腎臓への負担を最小限に抑えながら、プロテインのメリットを享受するための具体的なポイントを解説します。
最適な摂取量を知る:目標達成への第一歩
プロテインの適切な摂取量は、あなたの体重、年齢、性別、運動量、そして健康状態によって異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、18歳以上の男女のタンパク質推奨量は、男性で60~65g/日、女性で50g/日とされています(*3)。
運動習慣のある方や筋肉量を増やしたい方は、これよりも多くのタンパク質が必要になる場合がありますが、一般的に体重1kgあたり2gを超えるような極端な過剰摂取は避けるべきと言われています。
自身の活動レベルや目的に合わせて、食事からのタンパク質摂取量も考慮し、プロテインで補う量を調整しましょう。不安な場合は、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。
摂取タイミングを戦略的に:効果を最大限に引き出す
プロテインを摂取するタイミングも、腎臓への負担を考慮しつつ、その効果を最大化する上で非常に重要です。
運動後30分~1時間以内は、筋肉の修復と成長のためにプロテイン摂取のゴールデンタイムと言われています。しかし、このタイミングだけに偏らず、食事と合わせて少量ずつ摂取することも、血中アミノ酸濃度を一定に保ち、筋肉の分解を抑える上で有効です(*4)。
また、就寝前の摂取には、消化吸収がゆっくりなカゼインプロテインを選ぶなどの工夫が、睡眠中の筋肉の回復と成長をサポートします。
水分補給の重要性
プロテインを摂取する際は、十分な水分補給を心がけることが非常に重要です。タンパク質の代謝産物である尿素を体外に排出するためには、多くの水分が必要です。水分が不足すると、尿が濃縮され、腎臓への負担が増加するだけでなく、尿路結石のリスクも高まります(*5)。
プロテインを飲む際には、いつも以上に意識して水を飲むようにしましょう。1日に1.5リットル~2リットル程度の水分摂取が目安ですが、運動量や気候によって調整してください。
ライフスタイルに合わせたプロテイン選び

プロテインには様々な種類があり、それぞれ消化吸収の速さやアミノ酸組成が異なります。より効果的に、そして快適にプロテインを活用するために、これらの違いを理解しておくことも大切です。
ホエイプロテイン:素早い吸収でリカバリーと成長を加速
ホエイプロテインは牛乳由来のプロテインで、消化吸収が速いのが特徴です。運動後の筋肉修復に素早くアミノ酸を供給できるため、トレーニングをする人に人気があります。特に、筋肉の合成に不可欠な必須アミノ酸(EAA)がバランス良く含まれており、その中でもBCAA(分岐鎖アミノ酸)が豊富に含まれている点も大きな強みです。
ホエイプロテインは特に吸収が速いため、必ず推奨量を守り、一度に大量摂取しないように注意しましょう。
カゼインプロテイン:持続的なアミノ酸供給でボディメイクをサポート
カゼインプロテインも牛乳由来ですが、ホエイプロテインとは対照的に消化吸収がゆっくりなのが特徴です。長時間かけてアミノ酸を供給するため、就寝前や間食としての摂取に適しています。
睡眠中に筋肉がアミノ酸を必要とするタイミングで、安定的に栄養を供給することで、効率的なボディメイクをサポートします。
吸収が穏やかなため、腎臓への急激な負担はホエイプロテインに比べて少ないと考えられますが、やはり過剰摂取は避けるべきです。
ソイプロテインなど植物性プロテイン
ソイプロテインは大豆を原料とした植物性プロテインです。消化吸収はホエイとカゼインの中間程度で、イソフラボンなどの成分も含まれています。その他、エンドウ豆由来のピープロテインや米由来のライスプロテインなど、様々な植物性プロテインがあります。
動物性プロテインに比べて、一般的に腎臓への負担が少ないという見方もありますが、腎機能が低下している方は、植物性であっても医師に相談の上で摂取を検討してください。(引用元*2)
プロテイン摂取における賢い判断
多くの人にとってプロテイン摂取は安全かつ有益な選択ですが、中には摂取に特に注意が必要な方々がいます。ご自身の健康状態をよく理解し、不安な場合は迷わず専門家のアドバイスを求めることが大切です。
腎臓に持病がある方:専門医との連携で安心を
慢性腎臓病(CKD)など、腎臓に何らかの疾患を抱えている方は、プロテインの摂取に関して最も注意が必要です。腎機能が低下している場合、タンパク質の代謝産物である尿素を十分に排出できず、体内に蓄積してしまう可能性があります。これがさらに腎臓に負担をかけ、病状を悪化させることにつながりかねません。
腎臓病の治療を受けている方は、自己判断でプロテインを摂取せず、必ず主治医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法の一環としてタンパク質の摂取量が厳しく制限されている場合もあります。(引用元*3)
高齢者の方:適切な摂取で活力を維持
加齢に伴い、腎機能は徐々に低下していく傾向があります。自覚症状がなくても、若い頃と同じようにタンパク質を処理できない場合があります。そのため、高齢者の方がプロテインを摂取する際には、過剰摂取にならないよう特に注意が必要です。
しかし、高齢者のタンパク質不足(サルコペニア)も大きな問題であり、適切なプロテイン摂取は健康寿命の延伸に貢献します。かかりつけ医と相談しながら、最適な摂取量をを見つけ、活動的な毎日を送りましょう(*6) 。
その他のケース:安心してプロテインを活用するための相談ガイド
上記以外にも、以下のような場合はプロテイン摂取前に医師に相談することを強く推奨します。
・糖尿病の方:糖尿病性腎症のリスクがあるため、タンパク質摂取量について医師の指導を受けることが重要です。
・痛風の方:高タンパク食が尿酸値を上昇させる可能性があるため注意が必要です(*7) 。
・妊娠中・授乳中の方:母体と胎児(または乳児)への影響を考慮し、医師や管理栄養士に相談してください(*8) 。
・過去に腎臓結石や尿路結石を指摘されたことがある方:再発リスクを考慮し、専門医のアドバイスを仰ぎましょう(*5) 。
・その他、何らかの持病がある方や定期的に薬を服用している方:薬との相互作用や病状への影響を考慮し、かかりつけ医に相談してください。
適切なアドバイスを受けることで、安心してプロテインをあなたの健康生活に取り入れることができます。まとめ:プロテインを味方につけて、健康と理想の体を手に入れよう!
プロテインは、適切に利用すれば健康維持や体力向上に役立つ、非常に効果的な栄養補助食品です。確かに「プロテインは腎臓に悪い」という情報には、特定の条件下での注意喚起が含まれていますが、健康な方が適量を守って摂取する分には、過度に心配する必要はありません。
大切なのは、ご自身の健康状態を理解し、過剰摂取を避け、バランスの取れた食事と十分な水分補給を心がけることです。プロテインは、あくまであなたの健康的なライフスタイルをサポートするツールです。
腎臓に持病のある方や高齢の方、その他健康に不安がある方は、必ず医師や管理栄養士に相談の上でプロテインを利用するようにしましょう。定期的な健康診断で腎機能を確認することも、安心してプロテインと付き合っていくために非常に重要です。
適切な量・タイミング・水分補給とあわせてプロテインを活用すれば、腎臓への負担を抑えつつタンパク質を効率よく補給し、あなたの目標達成を力強く後押しします。 「胃腸にやさしいプロテインを選びたい」「就寝中までムダなく活かしたい」という方は、ぜひアスリート発のスポーツサプリメントブランド JUCOLA(ジャコラ)のプロテインをチェックしてみてください。 ジャコラは、ホエイ(*WPI) とカゼインが60:40の“母乳に近い”配合比率で、速効性と持続性を両立した、おなか・カラダに優しいプロテインです。※WPI(ホエイプロテイン アイソレート)はタンパク質含有率が高く、乳糖・脂質が少ないのが特長です。高純度のため効率的なタンパク質摂取が可能で、低カロリー、低脂質、低糖質です。
本品は疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。持病のある方や妊娠・授乳中の方は、医師・管理栄養士にご相談のうえご検討ください。
▼参考文献・引用元
(*1)Martin, W. F., Armstrong, L. E., & Rodriguez, N. R. (2005). Dietary protein intake and renal function. Nutrition & Metabolism, 2(1), 25.
(引用元*1)一般社団法人 日本腎臓学会3.腎臓がわるくなったときの症状-一般のみなさまへ-一般社団法人 日本腎臓学会|Japanese Society of Nephrology(外部リンク)
(*2)Sorensen, M. D., & Khan, S. R. (2018). Dietary protein and uric acid stone formation. Current Opinion in Nephrology and Hypertension, 27(4), 282-286.
(*3)厚生労働省. (2020). 日本人の食事摂取基準(2020年版)(外部リンク)
(*4)Areta, J. L., Burke, L. M., Rossiter, R. B., & Coffey, V. G. (2013). Timing of protein intake after resistance exercise in elderly. Medicine and science in sports and exercise, 45(11), 2132-2139.
(*5)Taylor, E. N., & Curhan, G. C. (2010). Diet and fluid intake and the risk of developing kidney stones. Nature Reviews Nephrology, 6(7), 419-425.
(引用元*2)日本腎臓学会学術誌「たんぱく質の質と腎臓との関係」(外部リンク)
(引用元*3)日本腎臓学会 CKD診療ガイドライン2024(外部リンク)
(*6)厚生労働省. (2020). 日本人の食事摂取基準(2020年版)高齢者のタンパク質摂取に関する記述
(*7)日本痛風・尿酸核酸学会. (2019). 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(外部リンク)
(*8)厚生労働省. (2021). 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを~ 解説要領(外部リンク)