2025.11.18
ホエイ vs カゼイン:
違いを徹底解説!
最適なプロテインの選び方

プロテインを選ぶとき、「ホエイ」と「カゼイン」という言葉をよく目にしませんか?どちらも牛乳由来のタンパク質ですが、実は働き方が大きく異なります。
そもそも牛乳タンパク質は、必須アミノ酸9種類すべてを理想的な割合で含んでいるため、「高品質な完全タンパク質」と考えられ、他の食品タンパク質の栄養価を評価するための標準的な参照タンパク質とみなされています。(*1)
他にも植物性のプロテイン製品など種類はありますが、ここでは、最もポピュラーな「乳たんぱく」であるホエイとカゼインそれぞれの特徴、効果、そしてライフスタイルに合わせた選び方のポイントを、わかりやすく解説します。
プロテイン選びは、あなたのカラダづくりにとって大切な選択です。その違いを知って、目標達成への近道を見つけましょう。
ホエイプロテインとは?
プロテインと聞いて、まず多くの方が思い浮かべるのがホエイプロテインです。世の中の主流として一番多く使われているホエイプロテインの特徴を説明します。
「ホエイ」プロテインの成分
ホエイプロテインは、牛乳に含まれるタンパク質のうち約20%を占める成分です。チーズを作る過程でできる乳清(上澄み液)からホエイプロテインが抽出されます。(*1)
「ホエイ」プロテインの特徴
ホエイプロテイン全体に共通する最大の特徴は、消化吸収のスピードが非常に速いことです。摂取後、アミノ酸が短時間で血液中に送られるため、筋肉を酷使した後など、素早く栄養を届けたい「速攻チャージ」のタイミングに最適なプロテインです。(*2)
ホエイは分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含んでいることから、カラダづくりを目標にする多くのトレーニーに選ばれる傾向があります。
ホエイプロテインの種類:WPC vs WPI
ホエイプロテインと一口に言っても、製法の違いによって「WPC」と「WPI」というタイプに分かれます。この違いが、成分、価格、そして体に合うかどうかの重要なポイントになります。
| ホエイ プロテイン |
WPC (ホエイプロテイン コンセントレート) |
WPI (ホエイプロテイン アイソレート) |
|---|---|---|
| 製法 | ホエイ(乳清)を シンプルに濃縮・ (限外ろ過:UF) |
WPCをさらに 高度な技術で精製 (イオン交換、 精密ろ過:CFMなど) |
| タンパク質 含有量 |
70〜80%程度 | 90%以上と 高純度 |
| 乳糖・ 脂質 |
ある程度残っている (お腹がゴロゴロする要因) |
ほとんど 除去されている |
| 特徴・ おすすめ |
価格を抑えたい人、 飲みやすさ重視の人 |
お腹がゆるくなりやすい人 乳糖不耐症の方)、 体を引き締めたい人 (脂質や糖質を抑えたい) |
【お腹の調子が気になる方へ】
牛乳でお腹がゴロゴロしやすい(乳糖不耐症の可能性がある)方は、ホエイプロテインの中でも「WPI(ホエイプロテインアイソレート)」を選びましょう。WPIは、乳糖がほとんど除去されているため、おなかへの負担が少なく安心して摂取できます。(*6)
カゼインプロテインとは?
次に、ゼインプロテインについて見ていきましょう。
「カゼイン」プロテインの成分
カゼインプロテインは、牛乳に含まれるタンパク質の約80%を占める主要成分です。チーズを作る過程でできる上澄み液(ホエイ)から分離された、固形の部分がカゼインになります。
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「カゼイン」プロテインの特徴
特徴は、消化吸収が非常にゆっくりなことです。胃酸に触れると固まりやすい性質(凝固性)があるため、長時間にわたってアミノ酸が少しずつ体内に供給され続けます。じっくり働くため、睡眠中や、食事の間隔が空く時など、持続的な栄養補給をしたい場合に真価を発揮します。(*2)
ホエイ vs カゼイン:
比較でわかる「働き方」の違い
違いは一目瞭然。ここでは吸収速度と効果を徹底比較します。
ホエイとカゼインの最も重要な違いは「消化吸収の速度」です。この違いが、効果的な摂取タイミングを分けます。
消化吸収の速度と持続性の比較
グラフからわかるように、ホエイたんぱくは摂取後1~2時間という短時間の間に吸収のピークがあるのに対し、カゼインたんぱくは、6時間以上の時間をかけてゆっくり徐々に吸収されていきます。(*2)
「即効性のホエイ」と、「持久性のカゼイン」と特徴づけられます。![]()
ホエイとカゼインの特徴と効果の比較
その他の特徴と効果について、またどんな場合におすすめかをまとめました。
| 特徴 | ホエイ プロテイン |
カゼイン プロテイン |
|---|---|---|
| 吸収 速度 |
速い (約2時間で吸収)。 筋肉の修復を 素早くサポート。 運動後のゴールデン タイムに最適。 |
遅い (約6~8時間かけて吸収)。 長時間アミノ酸を 供給し続け、 就寝中の 筋肉分解を防ぐ。 (カタボリック防止)。 |
| 主な 効果 |
筋肉合成の促進、 体力回復。 必須アミノ酸 (BCAAなど)が豊富。 効率的なカラダ づくりをサポート。 |
満腹感の持続、 ミネラル補給。 腹持ちが良く、 間食を抑える ダイエット サポートにも。 カルシウムが豊富。 |
| こんな時に おすすめ |
筋トレ直後に 飲む/素早い 回復を求める |
就寝前に 飲む/食事の間隔が 空きやすい/ ダイエット中 |
| デメリット | アミノ酸の供給が 短時間で終わるため、 長時間の空腹時 には不向き。 |
運動直後のような、 急いでアミノ酸などの 栄養を届けたい タイミングには不向き。 |
両者を組み合わせた効果的な摂取方法
ホエイプロテインとカゼインプロテインは、どちらか一方を選ぶのではなく、その吸収スピードの特性を活かして組み合わせることで、単独摂取では得られない大きな相乗効果を発揮します。
この組み合わせの最大のメリットは、「速攻チャージ」と「持続的な供給」を同時に実現できる点です。
1. ミックスプロテインで
「長時間・高効率」な栄養補給ホエイとカゼインを同時に摂取する、またはミックス配合された製品で摂取すると、以下のような効果が同時に期待できます。
即座の栄養補給(ホエイ): 摂取直後にホエイが素早くアミノ酸を血液に送り込み、筋肉合成のスイッチを入れます。
持続的な栄養維持(カゼイン): その後、カゼインが胃の中でゆっくりと時間をかけて分解され、アミノ酸を長時間にわたって体内に供給し続けます。
筋分解(カタボリック)の防止: 特に運動後や就寝時など、長時間にわたり栄養が途絶えるのを防ぎ、効率的にカラダづくりをサポートします。(*3)(*4)
つまり、吸収が早すぎるホエイの「短時間で効果が終わってしまう」という弱点と、吸収が遅すぎるカゼインの「即効性がない」という弱点を、お互いが補い合う理想的な摂取法と言えます。
2. 組み合わせが特に効果的なタイミング
ホエイとカゼインのミックスは、基本的にどのタイミングで摂取してもメリットがありますが、特に以下のタイミングがおすすめです。
| タイミング | おすすめの理由 |
|---|---|
| トレーニング 直後 |
筋肉が最も栄養を必要とする時。 ホエイで素早くリカバリーを開始し、 カゼインでその後の長時間にわたる 修復・合成を支えます。 |
| 朝食時 や食間 |
起床後の栄養が枯渇した状態から 素早く回復させ、さらにカゼインの 満腹感と持続性で、 次の食事までの空腹感を効果的に防ぎます。 |
| 就寝前 | 睡眠中の約6~8時間、 栄養が途絶えるのを防ぐため、 カゼイン単独でも有効ですが、 ホエイを少量加えることで、 初期の栄養補給を強化できます。 |
この組み合わせを実践することで、「どのタイミングでプロテインを飲むか」という悩みを減らし、より効率的で継続しやすいプロテイン習慣を築くことができます。
賢く使いこなす!プロテインを
効果的に活用するためのアドバイス
ホエイとカゼインは、どちらか一方のみを選ぶよりも、組み合わせて同時に摂取したり、目標やライフスタイルに合わせて使い分けると効果的です。
運動と組み合わせたプロテインの活用法
運動とプロテインの組み合わせは、カラダづくりを目指すのに最適です。
筋トレ後にホエイプロテインを摂取し、その後、カゼインプロテインで筋肉の分解を防ぎます。
筋肉は休ませている間の栄養補給が重要になるので、カゼインプロテインの持続性は、ホエイプロテインの吸収後にも有効です。(*3)(*4)
効率よく吸収するタイミング
ホエイとカゼインを別々に使い分けて摂取する場合は、それぞれの理想のタイミングを参考にしてください。
速やかな回復が必要な時
→ ホエイプロテイン
【理想のタイミング】 運動後30分以内
トレーニングで疲れた筋肉は、素早く栄養を求めています。吸収の速いホエイプロテインでアミノ酸をすぐに補給し、効率よくリカバリーをサポートしましょう。
長時間の栄養供給をしたい時
→ カゼインプロテイン
【理想のタイミング】 就寝30分〜1時間前、食事と食事の間
睡眠中は約6〜8時間栄養が途絶えます。吸収の遅いカゼインを摂ることで、寝ている間も筋肉へ栄養を届け続け、筋肉分解を防ぎます。また、腹持ちの良さを活かして、食事間の間食防止にも役立ちます。
ライフスタイルに合ったプロテインの選び方
ホエイとカゼインを別々に使い分ける場合は、ライフスタイルに合わせたプロテイン選びが重要です。例えば、日中の活動量やトレーニングが多い日は、ホエイプロテインを中心に活用し、夜間のリカバリーや空腹時の補給にはカゼインプロテインを取り入れると良いでしょう。
さらに、プロテイン選びにおいては、コストパフォーマンスや継続性を考慮することも重要で、これにより、無理なく続けられる健康管理が可能となります。
コストパフォーマンスといっても、ただ安ければいいということではなく、長期的にみて、いかに無駄なく効率的にプロテインが吸収できるか、そのための成分配合の設計力の高さや原材料の質なども重要なポイントになります。
また、プロテインを使い分けるために複数商品の購入が難しい方は、それぞれの特徴を活かしたマルチバランス型設計のプロテインを1種類選ぶというのもひとつの方法です。

プロテインを選ぶ際の賢いチェックリスト
プロテイン初心者の方は、以下の3つの点を意識して選ぶと、体に優しく続けやすい製品を見つけられます。
プロテインの成分・添加物をチェック
プロテインを「継続的に飲む」ことは、カラダづくりや健康維持において非常に重要です。そのため、毎日摂取するものだからこそ、製品にどのような成分が含まれているかを意識して選ぶ必要があります。
「消化酵素・乳酸菌」配合お腹に優しいプロテインの選び方
せっかく摂ったプロテインも、うまく消化・吸収されなければ効果は半減します。消化酵素や乳酸菌などが配合されている製品は、効率よくタンパク質を体に取り込む手助けをしてくれるため、特に初心者の方におすすめです。
使い分けが面倒な人へ:ホエイ・カゼイン「バランス型」プロテイン
たんぱくの種類による働きや効果の違いを知り、シーンによって使い分けることは効果を高める上手な使い方だと説明してきました。しかし、使い分けをするには同時に多くの商品を購入し管理する必要があるため、複数のタイプの商品を使い分けるのが面倒な方には、ホエイ・カゼインの両方の良い部分を活かした設計の、バランス型のプロテイン商品を選択するのもおすすめです。両方の良さを活かしつつも、ひとつで済むので経済的にも無駄がありません。
まとめ
ホエイプロテインとカゼインプロテインは、吸収速度の違いという大きな特徴を活かし、異なるタイミングであなたの健康とカラダづくりをサポートしてくれます。
違いを理解し、使い分け、あなたの体に合った質の高い製品を選ぶことで、健康的で美しいライフスタイルを実現する近道になります。
「複数の商品を購入・管理して使い分けるのが大変!」、「ホエイ・カゼイン両方の良いところを最適なバランスで組み合わせたい!」という方にはジャコラのプロテインパワー60:40もおすすめです。ホエイ(WPI)とカゼインが、人の母乳からヒントを得た最適な比率で配合されています。おなかに優しくしっかり吸収されるよう酵素や乳酸菌も配合され、休息時にも効率的にたんぱく質を活用できるユニークな仕組みは、まさに、プロテインを体に入れた後のことまで考え抜かれたオールインワンのバランス型設計です。もちろん人工甘味料などは不使用です。こだわりの特徴についての詳細はこちらから。
本品は疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。持病のある方や妊娠・授乳中の方は、医師・管理栄養士にご相談のうえご検討ください。
▼参考文献・引用元
(*1)乳たんぱくについて Health-Related Aspects of Milk Proteins - PMC(外部リンク)
(*2)吸収スピードの違い Slow and fast dietary proteins differently modulate postprandial protein accretion | PNAS(外部リンク)
(*3)「筋肉を休ませている間(睡眠中)の栄養補給(カゼイン)」が有効であることのエビデンス Res, P. T., et al. (2012). Protein ingestion before sleep improves postexercise overnight recovery. Medicine & Science in Sports & Exercise.(外部リンク)
(*4)ホエイとカゼインのブレンド(=両方の利点を同時に得る)を支持するエビデンス Reidy, P. T., et al. (2013). Protein blend ingestion following resistance exercise promotes human muscle protein synthesis. The Journal of Nutrition.(外部リンク)
(*5)参考 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/(外部リンク)
(*6)"Protein - Which is Best?: Journal of Sports Science and Medicine



